「東日本大震災」被災地訪問のご報告   中澤啓介


 
去る3月11日に起こった「東日本大震災」の被害は、地震、津波、余震、原
発による放射能問題とその風評に起因する社会的、経済的な諸問題に拡大し続
け、いまだなおどこまで広がるのか予断を許さない状況にあります。
原発問題が一日も早く解決し、被災地はもちろんのこと、日本中全体が平和
で安全な暮らしができますよう、心よりお祈りいたします。
 
実は、今回の被災地東北の太平洋沿岸地方には、30年前「聖書信仰運動
(JPCの集い)」の働きで出会った改革派の牧師たちをはじめ、JEAの理事と
して共に働いた牧師たち、この15年間ものみの塔問題やJWTC(エホバの証人
をキリストへ)の移動教室などでお世話になった牧師たち、東洋福音宣教会
(現在は同盟教団に加入)の教職セミナーや聖会でお交りをもった牧師たち、
それに神学校で教えた若い牧師たちがたくさん奉職していました。
 
地震と津波の発生以来私は、これまで関わってきたそのような牧師たちの安
否が気になり、その確認に追われました。最初のころは電話やメールが一切通
じず、すべての働き人たちとそのご家族の生存を確認できたのは震災後10日も
経ってからのことでした。
牧師たちの被災情報が入ってくるにつれ、その被害は、当初私が想像してい
たよりはるかに悲惨なものでした。加えてどの牧師たちも、信徒には話すこ
とのできない苦しみや悩み、いろいろな迷いをもっておられることを知りまし
た。
 
たとえ自分と自分の家族が助かったとしても、親族を失ったつらさ、教会員
とそのご家族の生命が奪われたことのやるせなさ、リストラされた教会員とそ
の家族を牧会しなければならない苦悩、献堂したばかりの教会堂を失った喪失
感、放射能の危険区域を去らねばならないジレンマ、自立の難しい地方伝道に
さらに追い打ちをかける牧師家庭の経済的困難さ、牧師子弟の養育に関わる諸
問題・・・・。
 
私は現役(の牧師)時代、「首都圏のほとんどの教会は、東北地方の教会で
救われ、育てられたクリスチャンたちが流入してきたことによって栄えてい
る。いつの日か、そのご恩返しをしなければならない」と思っていました。し
かし、実際には何もできず、長い間そのことを忘れていました。
しかし、ある先生と電話でお話をしていたとき、
「援助物資や義援金はむろん必要だけれど、被災された牧師たちにとって、も
っともっと必要なものがあるのではないだろうか。先生がたの貴重な体験をお
聞きし、恵みを分かち合ったり、先生がたがとらえている今回の震災の聖書的

・神学的な意味を教えていただく必要があるのではないだろうか。もし先生が
たをご訪問し、そんなお交わりの時を持つことができるとすれば、私にとって
はどんなに素晴らしい時になるだろう。しかもそのことが、先生がたの悲しみ
や苦悩、そして迷いも幾分か軽減されることになるのかもしれない。」
そんな思いが募ってきて、居ても立っても居られない気持ちになりました(後
になって、このような思いはとても高慢なものであることを示されました
が)。
 
そんなことを考えていた矢先、「東北道は3月24日に一般車両が通行可能に
なる」との情報が飛び込んできました。それでは一番乗りで駆けつけよう、そ
んな思いで友人・知人の牧師たちを訪問する計画をたてました(むろん、残念
ながら一番乗りではなかったのですがー笑―)。
 
訪問の目的を次の4点に絞りました。
“鏈劼気譴針匯佞慮従譴鯔ね、そのときの状況をお聞きすること
∨匯婬擇咾修里寛搬欧領酖、精神的なケアをすること
今後の教会形成の復興に向けて相談に応じること
さ善膓盖擇啀臀物資を届けること
 
そしてこれまで、6回にわたって被災地を訪ねました。
一回目は、3月24日(木)から26日(土)まで
二回目は、3月30日(水)から4月1日(金)まで
三回目は、4月3日(日)から7日(木)まで
四回目は、4月14日(木)から18日(月)まで
五回目は、4月20日(水)から22日(金)まで
六回目は、5月2日(月)から6日(金)まで
 
お訪ねしてみると、ほとんどの牧師が大歓迎してくださり、涙で迎えてくだ
さる先生がたもおられました。そして被災時の状況とそれから後の歩みを詳し
くお話しくださるのでした。予定していた2,3時間はあっという間に過ぎ、訪
問予定のスケジュールは大幅にくずれるのが常でした。しかし、たくさんの牧
師を訪問することより、一人一人の先生がたの貴重な体験を伺うことが重要な
のだと感じました。
先生がたのお話を伺い、主の恵みを知って祈りを共にさせていただいたと
き、大きな慰めを受け、励ましを受けたのは、先生がたではなく、私自身でし
た。それは、本当に感謝な経験でした。
 
なお、これまで訪問した教会と牧師は次の通りです(北の方から)。
 

宮古市(岩手県)
1. 宮古コミュニティチャーチ・岩塚和男牧師(単立)
2. 宮古教会・森脇和基牧師(日本キリスト教団)
大船渡市(岩手県)
1. 大船渡聖書バプテスト教会・千葉牧師(単立)
2. 大船渡教会・村谷正人牧師(日本キリスト教団)
3. 大船渡レムナント教会・李イザヤ牧師(単立)
陸前高田市(岩手県)
1. 陸前高田キリスト教会・森田為吉牧師(JBM)
気仙沼市(宮城県)
1. 気仙沼第一聖書バプテスト教会・峰岸浩牧師(保守バプテスト)
2. 気仙沼聖書バプテスト教会・千葉仁?牧師(単立)
石巻市(宮城県)
1. いしのみなと教会・金谷政勇牧師(保守バプテスト)
2. 石巻伝道所・白津景蔵牧師(改革派)
3. 石巻聖書バプテスト教会・岡本弘牧師(単立)
東松島市(宮城県)
1. 宮城聖書教会・田中時雄牧師(聖教団)
黒川郡(宮城県)
1. 東北中央教会・永井信義牧師(福音の群れ)
多賀城市(宮城県)
1. 塩釜聖書バプテスト教会・大友幸一牧師(保守バプテスト)
仙台市(宮城県)
1. シーサイドバイブルチャペル・内藤智裕牧師(単立)
2. 泉聖書バプテスト教会・中野正義牧師(保守バプテスト)
3. 西仙台教会・中澤竜生牧師(聖教団)
4. 仙台聖書バプテスト教会・鈴木茂牧師(保守バプテスト)
5. カルト問題研究家浅見定雄先生(東北学院名誉教授)
名取市(宮城県)
1. ニューライフキリスト教会・大沼孝牧師(保守バプテスト)
亘理郡(宮城県)
1. 亘理伝道所・林茂雄牧師(改革派)
柴田郡(宮城県)
1. 船岡聖書バプテスト教会・遠藤浩牧師(保守バプテスト)
福島市(福島県)
1. 笠谷教会・原?邦牧師(イエス・キリスト)
2. 福島聖書教会・木田恵嗣牧師(ミッション東北)
須賀川市
1. 須賀川バプテスト教会・柴田浩一(単立)
2. 須賀川めぐみキリスト教会・舘脇暁美牧師(ミッション東北)

3. 東北宣教センター・二人の宣教師と牧師(イエス・キリスト)
4. 牧羊キリスト教会・後藤正嗣牧師(保守バプテスト)
郡山市
1. 郡山キリスト共同教会・福井文彦牧師(イエス・キリスト)
2. 郡山キリスト福音教会・木田俊彦牧師(ミッション東北)
3. 郡山バプテスト教会・田島信正牧師(単立)
白河市
1. 白河栄光教会・船田?二牧師(イエス・キリスト)
相馬市
1. 相馬キリスト福音教会・後藤一子牧師(同盟)
南相馬市
1. 原町キリスト福音教会・金成孝悟牧師(同盟)
2. 原町聖書教会・石黒實牧師(単立)
いわき市(福島県)
1. 小名浜教会・草野進英牧師(聖教団)
2. 内郷キリスト福音教会・金成孝悟牧師(同盟)
3. 平キリスト福音教会・森章牧師(単立)
4. 勿来キリスト福音教会・住吉英治牧師(同盟)
5. 四倉教会・牧師(兄弟団)
 
中でも、津波による大きな被害を受けたのは、気仙沼の峰岸牧師(献堂3年
目の会堂が全壊)と仙台の内藤先生(献堂6年目の会堂が全壊)。改革派の白
津牧師(築後30年の会堂は全面的な改築が必要)、同じ改革派の林牧師(昨年
始められた「山下駅前の伝道所」がほぼ全壊)、二本松の田中牧師(会堂一階
部分は全面修復の必要あり)でした。
また、福島県の福島市、相馬市、南相馬市、いわき市にあるそれぞれの教会
は、目に見える会堂などの被害というより、原発の放射能問題とそこから起こ
る風評問題に苦闘しておられます。
 
義援金については、原則として一牧師家族に対し5万円、食料品については
2万円を目安にお届けしました。しかし、被害が特に大きかった牧師家族に対
しては状況に応じて対応させていただきました。
二度目以降の訪問の際には一律2万円とさせていただきました。
 
なお、私の弟(中澤弘之・大野教会会員)がこれまでの被災地訪問の写真記
録集をまとめてくれました。次のホームページを訪ね、ご覧いただければうれ
しく思います。
 
1−3回目の訪問の記録は、http://www.digibook.net/q/gnavuaF-VYs7m0vaPUCnw-vsL/

です。

ダイジェスト版、http://www.digibook.net/q/kea8saqWEWk4qgQ0wXC1ILZdf/

 
4回目の訪問の記録は、http://www.digibook.net/q/M5a8ma0EUYkmSkk8FFKD8fZoI/

 
5回目の訪問の記録は、http://www.digibook.net/q/Zdac4apUockQPltoEUQTwaZpC/

 
では、神様からの豊かな祝福が皆様の上にありますように。
 
感謝を込めて
 
2011年5月8日
大野キリスト教会宣教牧師
中 澤 啓 介