まずは、自己紹介をいたします。私は、忍者の里として有名な三重県伊賀市で牧師をしている
小野田雄二と申します。
JWTCとの関わりでは、2006年1月18日JWTC 午後のクラスでお話をさせていただき、相談に乗っていただいたことがあります。その相談というのは次のようなものでした。『約1年間合計16回、嫌われていると知りつつ木曜日の夜に王国会館へ通い続け、無視されながらも神権宣教学校・奉仕会に出席し続けた。すると「次に来たならば、警察を呼ぶぞ」と、ついに立ち入りを禁じられてしまった。さて、どうしたらよいでしょうか?』という内容でした。もしも、覚えていて下さる方がおられましたら、幸いです。
初めて聞かれた方もあるかと思いますので、このことでお話させていただきたいと思います。
さて、相談させていただいたあの日、JWTCのメンバーの方々から貴重な助言と励ましをいただくことができ、感謝でした。中澤先生からは「今まで沢山の相談を受けて来たけれども、こんな相談は初めてです」と声を掛けていただき、なるほどそうかも知れないな、と思ったものでした。なお、誤解のないように
一言加えますと、私は集会を邪魔するようなことは何もしていません。歌集も何も渡されず、また、誰からも声を掛けられずに、ただ黙って席に着いていただけです。実は、王国会館に通い始める前に、私は対話を求めて何度も日本支部に葉書を出したのです。しかし、研究生打ち切りになっていた私には返事の一つありません。そこで、こちらから出向き、ぜひもう一度対話に応じて下さいと、無言の内にアピールしていたのです。それが、組織にとっては随分目障りだったようです。確かに、集会場にいる一人の人を無視しながら、「エホバの証人ほど、愛と親切のある組織はありません」と講壇から語るのは、やりにくかったことでしょう。ご存知のように、無視されると分かっている所に行き続けるのは、苦痛が伴います。それでも通い続けたのは、エホバの証人の方々に何とかして真の福音を届けたい、組織の偽りの縄目から解かれて、自由を得て欲しいと願ったからでした。
さて、その後、JWTCでいただいた助言に従い警察署に相談の電話をしてみました。すると「どんな理由であれ、相手が来て欲しくないとはっきり告げている所にそれでも行って留まろうとするのは、不退去罪に問われる可能性があります。気を付けて下さい」との回答でした。不退去罪とは、例えば、帰ろうとしない押し売りを咎める罪です。組織は、普段あんなに世との分離を強調していながら、自分たちを守るためには平気でこの世の権力を用いるのかと、溜息が出ました。そんな訳で、王国会館へ通うことは、ちょっとお手上げになってしまいました。けれども、今も私は主が知恵を与えて下さることを心密かに祈り願っています。そして、主が次の一手を示して下さったなら、それに従いたいと思っています。
この10月には新生タンポポの「わたぼうし交流会が」多治見で行われました。私もスタッフの一人にさせていただいていまして、参加し多くの励ましを受けることが出来ました。主は約束して下さいました「希望は失望に終らない」ローマ5:5。主の御声に励まされつつ、これからもJWTC の働きに関わらせていただきたいと願っています。
エホバの証人をやめて10年目の夏、東北で行なわれた移動教室に1泊であったが参加することができた。東北の元JW、牧師、クリスチャンの方々また各地から参加された皆さんと交わり、主を賛美できたことは大きな喜びであり恵みであった。この集まりで一番心に残ったのは、ご主人が酒田出身で、今は神奈川在住のご夫妻のお証しであった。長い間JWの訪問を受け『研究生』となり、昨年の地域大会に出席して感動しJWになる決意をされたご主人と、「輸血拒否」などで明らかにおかしい宗教に入ろうとしている夫に苦悩された奥様の心の葛藤。懸命な奥様の働きかけによって早い段階で間違いに気づかれたことは本当に良かったと思う。今はご夫妻で教会の礼拝に出席されているとのこと。主の導きを感じすばらしいお証しであった。そして私は、聞きながら立場は逆であるが、以前の自分たち夫婦の姿と重ね、夫の言葉を思い出していた。
『ボクの13年間を返してくれ!』
新婚まもなく夫の了解なく「研究」を始め、知られた後も耳を貸さず、13年間ものみの塔の教えを第一にした私。家庭は「幸せ・・・」どころかすっかり暗い場所となっていた。JWをやめた後、そんな私を一度も責めることはなく、人前で自分の気持ちを話す機会もなかった。唯一、時おりおどけた口調でこういっていたのだ。心労によってやせてしまったという奥様が、涙ながらに語られている様子を見て、夫の13年間の心の叫びを聞いた思いであった。今更ながら自分の愚かさと夫の忍耐を思い知らされた。イエス様はこんな私達を見ておられ、救ってくださったのだ。ハレルヤ!
翌日の夕刻、帰りの飛行機の窓から実に美しい雄大な鳥海山が見えた。酒田での恵まれたよき思い出と共に今もはっきりと記憶している。
主は人の一歩一歩を定め御旨にかなう道を備えてくださる 詩篇37:23